FC2ブログ

Home > ウマ娘 > 【ウマ娘】SS 「端的に言えば、これは彼女の劣情なのだ。」

【ウマ娘】SS 「端的に言えば、これは彼女の劣情なのだ。」

  • Posted by: 大蠍
  • 2021-05-16 Sun 18:00:00
  • ウマ娘
1621084909642.png

端的に言えば、これは彼女の劣情なのだ。
歪んだ欲望、衝動、情動、若さからくる発露。
多くのものが褒めて、甘やかして欲しいように、彼女は相手を甘やかす時間が欲しいだけ。
ある種の甘え下手と衝動が一致した、そんな行い。
彼女の環境や背景と一致することで生まれた、精神に結びつく行動。
「より強い相手と万全を期して」という自らの失敗をも糧とした願いと結びついた、獣の行い。
それが、彼女の甘やかしなのだ。

「頑張ったね、クリーク」

頭一個近い差を埋めるように、少し屈んで差し出された頭を、優しく撫でる。
女性としてもそう大きくない、彼女と並べば小人のような私の上背。こうしたコミュニケーションに不向きな体格差も、

「はーい、トレーナーさんも頑張りましたねー♡」
「うぐっ」

そう言いながら立ち上がって抱きしめるには、都合が良いらしい。
優しくも力強い、慈母のような抱擁。
顔の下半分が、彼女の豊かで柔らかな双丘に、息苦しさを感じるギリギリの塩梅で埋まる。
レース後らしい汗の臭いに、土と芝の香りと、彼女自身が持つ甘い匂いが混ざって、鼻をつく。
こちらの頭を撫でる手からは、先程までしっかり握り締めていた事からくる震えが伝わる。荒い息遣いの中にも、興奮と不安の混ざった震え。
そんな、年相応な、しかしアスリートらしい彼女を知れば、望みのひとつやふたつ、受け入れたくもなってしまうというもので。
しかし、そこにも大小線引きはある。だから。


「それくらいにして、クリーク。ほら、ライブのスタンバイも────」

そう言って回していた手で背中を叩いても、彼女の手がなかなか緩まない。
いくら優しく抱かれていたとて、ウマ娘と非力な女性の差は大きく、こちらから解くのは至難の技。うっかり怪我でもすれば、なにより悲しむのは彼女だ。
なのであちらから解いて欲しいのだが、応答がない。

「クリーク、ねえ、もうすぐスタンバイ終わるよ」
「……もうちょっとだけ……」

背を叩きながら喚くこちらの意図に反して、か細い声で、そう呟く。
確かに、久々のレースだった。この頃は覇者となった身を、なによりそう強靭でもない彼女の脚を慮って、しっかり休養を取っていた。
それが彼女に、いらぬ不安と、甘やかし不足をもたらしたのだ。
ならば答えは。

「あとで、あとで私の部屋に来ていいから、片付けでも料理でも洗濯でもでちゅね遊びでもしていいからー!」

元より半ば捧げた身ではあったが、この発言によって彼女は素晴らしいパフォーマンスを見せた。
ライブ後もきらきらと笑顔を見せて、私のもとへと戻ってきた。
幼い笑顔。見た目の割に渋い表情をする、と評された私とは違った、等身大の表情が、私に向かってくる。
輝きを映す目、揺れる尾、ピンと立ててこちらに向いた耳────期待を隠さぬその所作に、思わずこちらの顔も綻ぶ。
そんな顔をなんとかしつけて、彼女に一度向き直る。

「早く帰ろう。でもその前に────」

ちょっとだけ撫でて。そう言うと、先ほどとは違って、しっかりとした手付きで頭を撫でられる。
落ち着いた指遣い。大丈夫だよ、と報せてくる手の力を、頭に、額に、うなじに感じながら、少し頷いて。
帰路に着こうと申し出れば、一層の笑顔が返ってきた。


ベッドの上で上半身を抱きかかえられ、あやすように、静かに揺すられる。
端的に申せば幼児プレイの押し付け、それも私たちの間柄でないと嫌だというわがまま。
前掛けとおしゃぶりを付けて、赤子のように甘えるというプレイ。成人女性には度を超えて厳しい状況に晒されて、30分が経過した。
後悔と槍持ちは先に立たず、提灯持ちは後に立たない。あの時、でちゅね遊びくらいしてくれて構わないと豪語した自分を殴りたい。
おしゃぶりを咥えさせられた口を尖らせ、眉間にシワを寄せてみるが、完全にそういうモードに入ってしまった彼女には、もはや届かぬものとなっている。むしろ、赤子が口を尖らせるなど、本当に可愛いばかりだろう。
テレビからは見なくなって20余年経つ教育番組が流れ、時折クリークが口ずさむ声が被る。リズムよく揺する腕と合わさり、子守唄のよう。
彼女の持つ高めの体温と、しばしば当たる柔らかな実りの感触もあいまって、時折ぼんやりとした気分に────

はっと気付くと、口に暖かな感触。
柔らかくて甘い匂いのする、肌色────それが、唇に割り入っている。
先程までおしゃぶりを咥えさせられていた口が、彼女の豊かな柔肉の先端を含んで、吸い付いていた。
当然ながら、乳汁が出たりするわけではない。甘い匂いが鼻腔を満たし、唇に突起の感触だけがある。
無意味な、快楽のみの行為の押し付け。
思わず口を離そうとすると、視界の端に、彼女の表情が見える。
それは、快楽とはまた違った、慈しむような顔。文字通り、乳飲み子に向けたかのような表情。
その表情に、つい、また、唇と舌が、彼女の母性を求める。
倒錯した時間。いつの間にか自ら求めていた倒錯。
たわわな柔肉を手に取り、不乱に吸い付けば、彼女の手が頭を抱いて、優しく撫でる。
いよいよその口を、離した時。

「……お腹いっぱいでちゅか?」

うっとりとした、しかして少し寂しげな瞳に、私はまた、てらてらと涎で濡れたその果実に吸い付くばかりだった。

Comments: 0

Comment Form
Only inform the site author.

Home > ウマ娘 > 【ウマ娘】SS 「端的に言えば、これは彼女の劣情なのだ。」

Return to page top