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【ウマ娘】SS 「あー! また会長とトレーナーさんイチャイチャしてー!」

  • Posted by: 大蠍
  • 2021-05-25 Tue 06:00:49
  • ウマ娘
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「あー! また会長とトレーナーさんイチャイチャしてー!」
突然生徒会室に響き渡ったのはそんな声。その主はトウカイテイオー。デスクで同じ書類を見ていた俺とシンボリルドルフ、そして別のデスクで作業をしていたエアグルーヴが、ぽかんとした様子で顔を上げた。
「もう、すぐベタベタするよね2人とも。忙しいかと思ってボクは遠慮してたのにさ」
「イチャイチャか」
言って、ルドルフは微笑み、エアグルーヴは嘆息した。俺はちょっと体を離して、肩を竦めるくらいしか出来ない。
「ドリームトロフィーの事を詳しく教わっていただけだよ。体はまあ、近かったかも知れないが」
「会長とトレーナーはいつもあんなものだぞテイオー」
「まあベタベタはいつでもしたい」
俺がルドルフの髪に伸ばした手はノールックで彼女の手に遮られた。悲しい。
三者に一斉に切り替えされて、テイオーは不満そうである。
「ボクだって会長とたまには遊びたい!」
「テイオー、君のトレーナーは?」
「今日まで出張!」
そういえば、テイオーのトレーナーから話を聞いていたのを思い出す。その時は何故俺にと思ったが、こうなる事を予見してのことだったのかも知れない。

「そうか。最近は私もエアグルーヴも目の上のタンコブでね。見た目ほど忙しくもないから相手をする時間はあるよ」
「ホント!? あのねあのね! カフェテリアにすっごく大きなパフェが新しく発売されてて!」
「ほう、手強そうだ」
そんな話をしながら出ていく2人の背中を見送る。急ぎの用事でもなし、と手にしていた資料の類いは一旦収めておく。
「……男性も、ベタベタしたがるものだろうか?」
「俺はそうだな」
「私の周りの男性は偏りがある気がする……」
頭の痛そうな顔をするエアグルーヴである。男性「も」と語るに落ちる可愛らしい副会長殿に手をひらひらと振って、急に出来た空き時間を潰そうとトレーナー室へ向かった。
思えば、朝から晩までルドルフのことを考えている。
当然と言えば当然だし、それが俺の人生そのものではあるが、時にこうして抜ける時間も悪くない。
動画サイトで適当にローファイミュージックを流して、コーヒーを淹れ、ソファに横になる。
思い浮かんでくるのはやはりルドルフのことばかりで、すんなりと気持ちよく、眠りに落ちた。

何かの気配を感じて、寝返りを打とうとしたら、遮られた。人の腕。瞼を開ける。
「おはよう」
飛び込んできたのは愛バの顔だ。いつやって来たのか、いつそうしたのか、彼女の膝枕でゆっくりと午睡を楽しんだものらしい。
「いつもは君に起こされているから、こういう機会は貴重だな」
嬉しそうにルドルフが俺の髪に指を入れ、さらさらと撫でる。俺も、仕返しとばかりに伸ばした手で彼女の髪に触れた。
「テイオーはもういいのか」
「ああ、彼女のトレーナーも戻ってきてね。以前は会長会長と私に引っ付いていたのが、今ではすっかり彼の虜だ」
「かわいいもんだ」
「見ているこちらが恥ずかしくなる程べったりだったよ。成程テイオーの言う通りかも知れないな」
「まあイチャイチャというオノマトペに抵抗はあるが、好きな相手には触りたいもんだよ」
「同感だ」
クスクスと笑って俺の額や鼻、頬から顎の形を確かめるようにルドルフの手が動き回る。くすぐったいが、彼女の言うようにあまり無い機会だ。堪能する。
「お疲れかな?」
「昼寝は暇つぶしにするものだろ」
「ならいいが」

暫し膝枕のまま、テイオーの話を聞いた。
彼女がトレーナーに向ける眼差し、それを受け止めるトレーナーの表情。しっかりした親愛が伺える2人の関係性が、お互いにどれほどかけがえの無いものかがよく解る。
「テイオーが甘え上手なのもあるが、彼は上手く良い方に向けているようだ」
「あれはテイオーの良い所だと思うよ。逃避の甘えじゃなく、人を嫌な気分にさせない」
「解る。時々羨ましく思うよ、立場で作られた人間性が邪魔だともね」
「もっと甘ったれてもいいんだぞ」
「難しい」
照れ笑いをするルドルフが、少し考えるような仕草をしてから、俺の手を取った。意を決したように、人差し指を咥える。
ぬるり、と柔らかいものに吸い付かれる感触は、寝起きの俺に熱を灯すに十分過ぎる程甘美なものだ。
これが彼女の言う「甘え方」なのだとしたら不器用にも程が有るし、そして愛らしい。甘やかしたくもなる。
「柄じゃないかな」
「柄ではないが、いい色だ」
「君が甘やかし上手でよかった」」
誤魔化すようにそう言って、膝枕を外したルドルフがそっとかけてきた体重を、甘んじて受け入れる。彼女だって、十分甘え上手だ。

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