FC2ブログ

Home > ウマ娘 > 【ウマ娘】桐生院葵SS 「家族風呂?」

【ウマ娘】桐生院葵SS 「家族風呂?」

  • Posted by: 大蠍
  • 2021-05-26 Wed 02:34:13
  • ウマ娘
1621954857251.png

「家族風呂?」
「はい…」
貸し切りかつ混浴。部屋の風呂では狭いというグループ向けに作られた小規模な設備。
それに赤の他人を誘うということの意味を、誰しもきっとわかっている。
無謀な提案だと自覚している。。不可視の壁を建てられる相部屋と違って一糸纏わぬ姿を晒しあう言い訳の効かない状況に持ち込むのだから。
きっと、断られるって、思ってる。でも…きっと、何もせずに諦めるのも嫌なんだ。

────私はこの人が好きだ。それこそ今すぐ体をささげてもいいと思っているくらいに。
私みたいな生娘がこんな生意気をいえるようになったのもこの人のおかげ。
知識に縋って人を見なかった私を変えてくれた
名門の皮に包まれた私のありのままを接してくれた。
一緒に困難だって乗り越えた。

私の成長にはいつだってあなたがいた。
大きな子供同然の私が今では胸を張って自分を誇れる。
じゃあ……あなたにとってのわたしは、なんですか──────

背後で衣擦れの音を聞く。合わせるようにボタンを外していく。
肌が外気に触れるにつれて心臓の鼓動が苦しいくらい高まる。
ベルトとパンツを落とし、後ろ手でブラのホックを外し、下着を下ろす。
薄手のタオルを重ねて最低限体を隠しながら振り返ると、既に彼は浴場へと消えていた。
立ち込める湯気をかき分けると既に鏡の前で頭を洗っている彼がいた。
服の上からうすうす感じてはいたが、しかし実際に見る背中や肩は、想像よりもいかつくて。
溢れるつばを飲み、学んだ常套句を何とか口にした。

「お背中……流しましょうか?」
一瞬、びっくりしたように背中を振るわせたがそれでも返答には落ち着きがあった。

「お願いしてもいいですか?」

体に当てていたタオルをさらに小さく畳み石鹸を含ませる。
湿らせて最大限泡立て、彼の背中に触れた。
大きくがっしりとした背中。肌触りはお世辞にもよくないはずなのに、ほおずりしてしまいそうな魅力があった。
「えっと……」
「もう少し強くてもいいですよ」
「あはい…」
どうしてこの人はこんなに冷静なのだろうか。私は今にも色々爆発しそうだというのに。
そう思うと無性に腹が立ってきた。
「……えいっ」

タオルを置いて、直接体を当てる。そのまま前へ手を回し、彼の背で泡を立てる。
「どっど、どうですか!?」
徐々に後悔が大きくなるが今更引き下がるわけにもいかず、涙をこらえて胸を擦り付けた。
「えっと……はい、気持ち、いいです……」
……もう後には、引き下がれないのかもしれない……

「お返しに流しますよ」
湯に浸かる前に湯だってしまった顔を押さえながら、今彼に丸めた背中を晒している。
最初は反論した。でもタオル一枚をまとっていやいやと抵抗する体を抱えられてプラの椅子に座らせられてしまったので仕方がない。
……体、変じゃないかな。おしりとか、大丈夫かな…
いま気にしても仕方ないことばかり頭に浮かんでしまう。ちゃんと出る前に整えたが、でも気になる。
そういえば彼の女性遍歴について考えたことは無かった。いやに落ち着いてるのも彼が経験豊富だから・・・?
ああ嫌だ。一度始まった妄想は連鎖して止まらない。雑多な女性を侍らせたり、ベッドで女性を抱きながら煙草を吹かす姿に心が冷える。

「はい、こんなもんで」
我に返った。気づけば背中の泡はすっかり流され、腰にタオルを巻いた彼がシャワーヘッドを戻すところだった。
しかも気づけばもう湯船に浸かっている。肘をついて、景色ばかり見て、


……やっぱり、そうなのだろうか……

湯船を前に立ち尽くす。
ちなみに湯船の向かいがガラス張りで、夕暮れに染まる街を一望できるようになっている。マジックミラーなので覗かれることもない。
違う。問題はそこではない。
湯船につかる、つまりタオルを取って彼の前に座るか、それとも彼にもたれかかるようにして余り見られないようにするか。
いずれにしろ、先ほどまでとは比べ物にならないほどの距離を縮めることになるのだ。
気を使っているのか、彼は窓の外へ顔を向けている。それでも、恥ずかしいものは恥ずかしい・・・
「風邪、引きますよ」
彼は変わらず気遣いの言葉を掛けてくれる。
……でもそれは、

「……こっちを見て言ってください……」
「何か……?」
「むん!なんでもありません!」
口調が移ったことにも気づかないままタオルを置き、湯に浸かる。
柔らかな感触が体を包み、差すような熱が芯まで行き渡る。

「ほぁ…」
気の抜けた声も出ようというもの。さっきまでの緊張なんか、吹っ飛ぶくらい……
「……」
……夕陽に照らされた横顔が、映える。アンニュイに細まった目は、いったい何を見ているのだろう。
と、
「……あっ」
……っ!目が……
そう、今自分は湯越しに自分の裸体を晒している。それに加えて、横顔に見とれていた、など、
「っ~~~~!」
思わず顔を沈めてしまう。けれど、それはよくなかった。
水中で、ぼやける視界にあってなお、存在感のある……

「……!はっ、はっ、はわわっ……!」
「……はは、参ったな……」
いたずらが見つかった子供のような、罰の悪いごまかし笑顔を見せる。
「……ええと、生理現象なので……、多めに見てください……」
彼の耳も赤いのは、夕陽のせいか、のぼせているのか……それとも、
「いままで、お付き合いしてた人、とか、いっ、いますか!?」
「えっ…?いや、居ませんけど…」
横目でちらちらと視線を飛ばしながら彼は答えた。その表情には、今まで見せなかった照れがある。
「な、ならっ混浴を受けてくれたのはなんでですかっ!」
「なんでって…えーっと……」
「ちゃんと、答えてくださいっ!」

しばらく沈黙の後、
「ええっと……」
無言で続きを促す。逃げる相手には、とにかく詰め寄ること。
「あなたと、一緒に風呂に浸かれたら……いいなって、思ったから……」
目元を押さえ、震える声で。少し泣きそうだった。
「男女で一緒に風呂に入ることの意味が分かってるんですか!?」
理不尽な問いかけだと言いながら思う。相手も同感だったのだろう。食い掛って反論しようと、
「ハァ!?誘ったアンタがっ…!?ヤバ……」
こっちに、顔を、向けて、
瞳孔が縦に揺れるのが見える。腕が無意識に体を隠そうと纏わりつく。
それで俯いてしまったから、"彼"と二度目の対面を果たしてしまって……
……

……口が乾く、頬が熱い。好奇心が疼く。アレに触れてみたい。
触ってみたい。入れてみたい。手が自然と股に伸びる。
体も、欲望も、言葉も際限なく沸きあがる。
「……その、」
「はい…」
「そっちに……行っても……?」



Comments: 1

名無しP@もばます! URL 2021-09-07 Tue 11:41:19

桐生院×トレーナーいい!
終わり方もこいつらウマぴょいしたんだ!感があってイイゾ〜。

Comment Form
Only inform the site author.

Home > ウマ娘 > 【ウマ娘】桐生院葵SS 「家族風呂?」

Return to page top